頭の中のシステムが2つ
どうもたろ金です。
今日はノーベル経済学賞受賞者であるダニエル・カーネマンの
ファスト&スローについて書いていきたと思います。
この本はあなたの意思はどのように決まるかについて書かれたものです。
まず下の画像を見てみてください。
どのような印象を受けるでしょうか。
この写真を見てすぐに、彼女が腹をたてていると感じたと思います。
しかもあなたが見るものは現在にとどまらずに、この女性が何かの怒りの
言葉を、それも物凄い大声で発するだろうと感じたのではないでしょうか。
この女性がこれからやる行為の予測は、なんの努力もなく自動的に
頭に浮かんできたことと思います。
この女性の気分を評価しようという意思はなくとも思い浮かぶのです。
自分が何をしているかさえ気づかずに、思い浮かんだのです。
これが自分の中にある速い意思決定システムです。
では今度は12×19をやってみてください。
これが掛け算だということにはすぐ気づくと思います。
そしておそらく、紙と鉛筆があれば解けるが、ないと難しいと
考えると思います。
正解は思い浮かばないし、わざわざやってみることもないと考える人も
いると思います。
今自分が何をしているか、順序立てて考える時に使うのが
遅い思考システムです。
僕たちはこの速い思考と遅い思考を常に働かせながら生活をしています。
これは同時に働いているわけではありません。
常に働いているのは速い思考です。
遅い思考は速い思考では考えられない問題を対処するときに
出てくるのです。
この速い思考と遅い思考は二つのシステムとして名付けられています。
速い思考をシステム1と呼び
遅い思考はシステム2とされているのです。
システム1は自動的に高速で働き、努力は全く不要か、必要であっても
わずかで、自分でコントロールしている感覚は全くありません。
システム2は複雑な計算など頭を使わなければできない困難な知的活動に
しかるべき注意を割り当てます。
しかし注意すべきはシステム2は基本的に怠け者だということです。
何かを我慢したり、意識して継続したりする力はシステム2に
備わっているものです。
そしてこのシステム2は使うと消耗します。
システム2を使うということは自分自身を
コントロールするということです。
これをセルフコントロールと言います。
このセルフコントロールを消耗させる状況やタスクは次のようなものです。
・考えたくないのに無理に考える
・妻や夫、恋人の失礼な振る舞いに寛容に応じる
・感情的な反応を抑える
こういったことでセルフコントロールは消耗します。
消耗することで以下のようなことが起こります。
・ダイエットをやめてしまう
・衝動買いに走る
・挑発に過剰反応する
・力のいる仕事をすぐに投げ出す
この2システムが僕たちの生活を握っています。
なぜ続かないのか、なぜ誘惑に負けてしまうのかという理由が
うまくシステム2を活用できていないからだと考えられます。
先ほども言いましたが、システム2は怠け者なのです。
このシステム2を使うことを怠り続ければシステム1で生活し続ける
ことになり、目的なく生きているのと同じことになります。
人生を彷徨っている状態です。
そんなことが起こらないよう、この二つのシステムについて深く知り
自分自身の生活をコントロールできるようになっていきましょう。
ありがとうございました。
引用参考文献:ファスト&スロー
著者:ダニエル・カーネマン
訳:村井 章代
解説:友野 典男