けいたろう

人生に愚直さとユーモアを

褒めても叱っても結果は同じ

どうもたろ金です。

 

今日は褒めても叱っても結果は同じという衝撃的な事実を

ご紹介したいと思います。

スポーツや仕事などで1つのプレーまたは1つの案件を成功させた人を

褒めると次は失敗してしまうという場面に遭遇した経験があると思います。

 
 
 
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また失敗してしまった人に対して叱ることで、次からは上手くいくように

促すことができたと感じたことがある経験もあると思います。

また叱られたことで上手く出来たと感じたこともあるのではないでしょうか。

これは褒めたから、叱ったから、結びついた結果ではありませんでした。

 

平均の回帰という現象が起きていたのです。

ここからは具体的な例を出して説明したいと思います。

プリンストン大学名誉教授のダニエル・カーネマンさんが行った実験です。

 

カーネマンさんがイスラエル空軍の訓練教官に訓練効果を高めるための心理学

を指導していた時の話になります。

教官たちを前にしてスキル強化訓練における重要な原則として

失敗を叱るより能力向上を褒めるほうが効果的だと力説しました。

 

この原則はハト、ネズミ、ヒトその他の多くの動物実験で確かめられています。

すると一人のベテラン教官が手を挙げました。

そしてこう言いました。

 

「上手くできるのは確かに鳩では効果が上がるかもしれないが

飛行訓練性に当てはまるとは思えない。訓練生が曲芸飛行を

うまくこなした時などには、私は大いに褒めてやる。ところが同じ

曲芸飛行をさせると、大体は前ほどうまくできない

一方、まずい操縦をした訓練生はマイクを通して怒鳴りつけてやる

すると大体は次の時に上手くできるものだ。」

 

この教官は正しいと同時に完全に間違ってもいました。

教官の観察は鋭く、事実に即していました。

教官が訓練生の操縦を褒めた時には次回は下手くそになり

叱った時には次回は上手くなる。

 

そこまでは正しかったのですが、褒めると下手になり、

叱ると上手くなるという推論は完全に間違っていたのです。

実際には訓練生の出来がランダムに変動しただけなのです。

 

これは技能を習得しようとしている段階でよく起こることです。

教官が訓練生を褒める時は当然ながら訓練生が平均をかなり

上回る腕前を見せた時だけでした。

 

訓練生はその時多分たまたま上手く操縦できただけだから

教官に褒められようがどうしようが、次には上手くいかない

可能性が高くなります。

 

同様に教官が訓練生を怒鳴りつけるのは平均を大幅に下回るほどの

出来だった時でした。

したがって教官が何もしなくても次は多かれ少なかれマシになる

可能性が高くなります。

 

訓練教官は不幸な偶然の罠にハマっていたのです。た

叱責は実際には効果がないにも関わらず、次回は訓練生が上手く

やるという見返りを手にするのです。

 

叱るのが良いことだと考えてしまうのです。

僕たちの生活では、こうしたことがそこら中で起きています。

この現象は習熟度が上がれば起こりにくくなりますが

できが良い悪いはいつでも発生することです。

 

自分の身の回りで起きる平均の回帰に惑わされずに

理解することで間違った判断をしない生活をしていきましょう。

 

ファスト&スロー 上

ファスト&スロー 上

 

 

 

ありがとうございました

 

引用参考文献:ファスト&スロー

    著者:ダニエル・カーネマン